増谷淳子が日常の体験から感じること

10.令和時代 新入社員とのコミュニケーションスタイルは?


■今どきの新入社員の価値観や特徴を理解してコミュニケーションを取る

「ゆとり世代」「さとり世代」といわれる新入社員の特徴として挙げられるのは、打たれ弱い、失敗を恐れる。素直で、納得したら動く。教えられたことや言われたことはするものの、言われていないことはできない、気づかない。状況や場の空気を読んで行動することが苦手。仕事上のつき合いよりプライベートを優先させる。出世にこだわらない等の傾向があります。

このような彼らの特徴は、上司の世代から見れば理解できず、大きなギャップを感じるかもしれません。それは、世代の違いのなかで生まれる「当たり前」や「常識」が異なるからでしょう。彼らの育った環境はというと、豊かな時代で何でも与えられています。マニュアル世代で手取り足取りの丁寧な教育を受けています。周りから気遣われ、競争のない温室で育ってきているのに対し、ビジネス社会は厳しい荒波の競争社会です。学生時代は答えがあり、ゲームではいつでもリセットボタンが押せましたが、ビジネスでは答えもないし、途中でリセットもできません。

彼らの育ってきた環境や背景を理解したうえで、知らない、気づかないのは当たり前、彼らとの常識が違うという前提に立ってコミュニケーションを取るようにしましょう。そして、一つひとつの仕事については、「手段」だけではなく「目的」や「理由」も含めて、時間はかかっても丁寧に教えていくことが大切です。

■昭和世代の指示・命令によるコミュニケーションスタイルから脱却する

20世紀(成長経済)は、トップダウンによる指示・命令で徹底するマネジメント、コミュニケーションが中心。ティーチング(学校の授業)により教え込む、叱ることで、できないところをできるようにします。指示・命令に対して、新入社員からは報告があがってきます。
新入社員の成長を支援するためには、昭和世代の指示・命令による「指導」というコミュニケーションスタイルからの脱却が必要です。

■これからは成長支援によるコミュニケーションスタイルを意識する

21世紀(成熟経済)は、ボトムアップによるマネジメント、コミュニケーションが中心。答えがないので、コーチング(質問をして答えを見つける)により答えを引き出す支援をします。答えが出にくければ、一緒に考えます。この前提として必要になるのが、日頃から新入社員が相談しやすい雰囲気づくりをしておくことです。挨拶や声かけ、感謝を伝える等、人間関係・信頼関係を築くように心がけましょう。そのうえで、新入社員の成長を支援し、できたら承認します。
これからの時代は「指導」ではなく、相手の成長を支援する「成長支援」という相手基準のコミュニケーションスタイルが求められます。

昭和世代のコミュニケーションスタイルに思い当たる方は、ぜひこの機会に意識と行動のシフトチェンジを試みてはいかがでしょうか。


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