新入社員や若手社員を「気がきく社員」に育てるためのエッセンス

6.「報・連・相」のできる気がきく若手社員を育てるには


あなたの会社は「報告・連絡・相談」がうまく機能していますか?
「報告・連絡・相談」は仕事の基本中の基本であり、できて当たり前のことですが、苦手な人ややり方がわからない人がたくさんいます。

この当たり前の「報・連・相」が上手く実践されていないことが原因で、様々な企業でミスやトラブル、クレームが起きています。よって、今も「報告・連絡・相談」のセミナーは盛況で、研修のご依頼も数年前から増えています。

そこで新入社員や若手社員に徹底させたい「報・連・相」について取り上げます。
報・連・相」はやり方の問題だけではありません。「報・連・相」のルールを明確にし、上司から部下まで職場に徹底する仕組みづくりが大切なのです。

■今なぜ「報連相」が大切なのか?

「なぜもっと早く報告しないんだ!」「そんな話は聞いていないぞ!どうなっているんだ!」「お客様との連絡ミスでクレームが・・・」など、あなたの職場でもこのような情報共有不足による問題が起こっていませんか?

会社において、「報・連・相」は意思の疎通を図る大切なコミュニケーションです。
いわば、会社の血液であり、この血液が円滑に流れないと、大きなミスやトラブル、クレームが発生します。「報・連・相」は、新入社員研修で必ず教える仕事の基本ですが、「報・連・相」が必要なのは新入社員だけではありません。上司・先輩は部下・後輩から報告を受けると同時に、社長・幹部に「報・連・相」をする立場でもあります。さらに、新入社員の模範として指導をしていかなければなりません。

また、「報・連・相」が大切であるということはわかってはいるものの、その実行と継続は徹底されている組織は少ないことも事実です。「報・連・相」が不十分であると、会社が深刻な事態に陥ることさえあります。反対に上手くできれば、人間関係が良くなり、会社のイメージアップ、業績アップ、競争力アップにもつながります。

報・連・相」は情報共有をし、仕事をスムーズに進めるためには必要不可欠なものです。今や顧客ニーズは多様化・高度化し、社会が激しく変化しているため、「報・連・相」の巧拙は会社の業績に大きく影響します。「報・連・相」が会社の盛衰を握っていると言っても過言ではありません。「報・連・相」のルール・仕組みをつくり、研修やOJTを通じて徹底して浸透させていきましょう。

■「報・連・相」の基本の徹底とレベルアップを図る 【報告編】

報・連・相」のなかで、特に重要なのが「報告」です。まず、報告は「義務的行為」、1回の指示に対して必ず報告する義務があることを教えてください。報告はしたほうがいいのか、それともしなければならないことなのかを、最初にしっかり認識させておきましょう。

報告のルールが定まっていないことによって、部下の報告の仕方がまちまちです。また上司の報告の要求もそれぞれの上司によって異なります。

報告のルールがないために、報告が抜け落ちるということがないように、報告のルールを定めておくことが大前提です。報告のルールを研修やOJTで徹底的に教えましょう。その際、意思決定をする上司の元に、必要な情報がタイミングよく報告されないと、的確な意思決定ができないことを十分理解させておきます。

実際の報告場面では、上司から、「それで、どうなったんだ?」と、途中で聞かれることがあります。部下は状況を詳しく報告しているつもりですが、それは上司にとって大切な情報ではないことが多いのです。つまり、「それで、どうなったのか」という結論を知りたいのです。

そこでビジネスの報告の仕方は、「件名+結論+経緯・理由+意見」に則って簡潔に述べるように、徹底的に教える必要があります。上司に聞く耳をしっかり持ってもらうためには、件名に加えて所要時間と上司の都合を確認することも教えておきましょう。

件名の後は結論を述べます。事実と意見を区別し、事実を先に、意見は後から報告します。また、状況が変わったとき、時間のかかる仕事のとき、仕事が終了する目処がついたときには中間報告が必要です。仕事を任せる事のできる気がきく社員は、中間報告上手です。結果報告だけでなく、仕事の進捗をその都度報告をすることで、仕事の進捗がガラス張り状態になりますから上司も安心できます。

報告は終了時点だけではなく、次の指示の始点でもあります。仕事は中間報告の連続と考えて、仕事の計画には上司や関連部署への「報・連・相」も入れることを理解させましょう。

■「報・連・相」の基本の徹底とレベルアップを図る 【連絡編】

「連絡」は情報提供を行い、情報の共有化を図ることです。相手に正確にかつタイムリーに事実を知らせて、状況を知ってもらったり、相手に動いてもらうために行います。

連絡には自分が知らせるべきこと(しなければならない連絡:義務)と、知らせたいこと(連絡することで仕事がやりやすくなる:配慮)、この二つの要素が含まれています。

報告は上司と部下の縦の連携ですが、連絡は横の連携です。仕事の情報を関係者に伝えることです。多くの情報発信をした人に多くの情報が集まります。

連絡は必ずしも会社内だけではありません。取引先・お客様などにも必要です。連絡をすることで、仕事が円滑に進み、チームワークや相互支援が生まれ、人間関係も良くなります。

■「報・連・相」の基本の徹底とレベルアップを図る 【相談編】

「相談」は、困りごとやトラブルなどの問題を解決することです。迅速に相談することで、上司からすぐに支援を得ることができます。クレームも同様で、速い相談が初期対応につながり、大事になることを防ぎます。

また、相談は相手の知恵や力を借りることで、自分の知識や能力の限界を超えて成長することができます。相談は上司の状況も考慮し、自分の考えを持って臨むことも大切なポイントです。

新入社員のように「報・連・相」のルールややり方がわからない人には、きちんと研修やOJTで教えていけばいいのです。また、ルールを守らない若手社員には徹底して教えていくしかありません。しかし、コミュニケーションが苦手だったり、何ごとも受身な人には、そのルールや必要性を教えてもなかなか行動できないのが現実です。上司から積極的に働きかけて「報・連・相」をしやすい環境をつくっていくことで部下に習慣づけていくことが大切です。

報・連・相」上手な気がきく社員に育てるためには、そのポイントを理解・実践させること、加えて上司や先輩の率先垂範や働きかけはとても重要です。「報・連・相」のルールを明文化して、仕組みをつくることから「報・連・相」上手な気がきく社員を育ててください。


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